精油の抽出法について☆きちんと知りたい
目次:
精油の抽出法について☆きちんと知りたい
今日はアロマテラピーで使う精油がどんなふうに採れるのかをお伝えします。
精油の抽出部位
精油は植物の花や葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹脂などから、ごくわずかしか採れない、大切なエッセンスです。
例えばラベンダーは精油1kgを得るために花穂を100kgから200㎏が必要です。
ローズはもっと必要で、なんと精油1kgを得るために花が3~5トンが必要なんです。貴重ですね!
そんな貴重な精油を効率よく安定的に植物から採りだそうと進化してきました。
同じ植物から採れた精油でも、抽出法が違えば、成分も変わってきます。
それぞれの植物、抽出部位に適した方法が用いられているので、その代表的なものをご紹介しますね。
水蒸気蒸留法
原料の植物を蒸留窯に入れ、蒸気を直接吹き込んだり、水を沸騰させて植物に蒸気をあてるのです。香り成分を含んだ水蒸気が冷却器を通って冷えると、再び液体となって精油と芳香蒸留水(フローラルウォーター)の2層に分離します。フローラルウォーターは、ネロリやラベンダー、ローズなどからとれますが、化粧水などに利用されます。
水蒸気蒸留法は高温にさらされるため、香りや成分が飛んでしまったりします。そのため、高温に耐えられない植物は他の方法を用います。
圧搾法
2つ目は、主にかんきつ類の精油を抽出するときに用いられる圧搾法です。
対象精油のなかではスイートオレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、レモンがこの方法で得られますね。
なんと昔は手で皮をむいて絞り、スポンジで吸わせて精油を回収していたんだそうです。今では機械のローラーで圧搾し遠心法で水分を分離させて精油を得るようになりました。この方法は熱を加えないで圧搾することから、低温圧搾・コールドプレスとも呼ばれます。
遠心法とは遠心力で比重差があるものを分離させることです。
圧搾法のメリットとデメリット
圧搾法のメリットは、
熱による成分変化があまりなく、自然のままの香り、色が得られることです。
逆にデメリットは・絞りカスなど不純物が混入することがあることと、化学変化しやすい成分が多く含まれるため劣化しやすいということです。
近年ではかんきつ類の精油を水蒸気蒸留法で抽出することもあります。
揮発性有機溶剤抽出法
3つ目の方法は、揮発性有機溶剤抽出法です。
石油エーテル、ヘキサンなどの有機溶剤を使用します。ローズ、ジャスミンなど繊細な花の香りを得るのに適した方法です。まず、溶剤釜に原料植物を入れ、常温で溶剤の中に香り成分を溶かし出します。その時、香り成分だけではなく、ワックス成分なども溶剤の中に溶け込みます。
窯から原料植物を取り除き、溶剤を揮発させると、香り成分とワックス成分を含んだ半固形状のものが得られます。これをコンクリートといいます。
これにエタノールを加え、香り成分とワックス成分をろ過して分離させます。最終的にエタノールを取り除いたものをアブソリュートといいます。
精油の中に有機溶剤が少し残る可能性があり「アブソリュート」と「精油」を区別する考え方もあるんです。
有機溶剤抽出法で樹脂から取り出したものは別の言い方をします。
有機溶剤抽出法で樹脂から得られるものはレジノイドと呼びます。対象精油のなかではベンゾインがあてはまりますね。芳香を持続させる保留剤として使用されます。
油脂吸着法
次は、今はあまり行われていませんが、古くから伝わる伝統的な手法「油脂吸着法」についてです。
ローズやジャスミンなど花の香りを得るために行われました。精油は油脂になじみやすい性質があるので、この性質を用いた方法です。
精製して、無臭の牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)を混ぜたものやオリーブ油に香り成分を吸着させます。
2種類あって、
冷浸法アンフルラージュは常温で固体の脂の上に花などを並べます。
温浸法マセレーションは60~70℃に加熱した油脂に原料植物を浸す方法です。
映画の『パフューム』の中でどちらの方法もみることができますね。
あの映画は筋書きはともかく、グラースでの香り産業の様子を知ることが出来るので、アロマテラピーをする人は一度は見ることをおススメします。
さて、話を戻すと、油脂吸着法で得た香り成分を高濃度に含んだ油脂を「ポマード」といいます。これにエタノールを加えて香り成分を取り出し、エタノールを取り除いたものを「アブソリュート」といいます。
揮発性有機溶剤抽出法で得られるものと同じ名前ですね。
現在アブソリュートと呼ばれるものは揮発性有機溶剤抽出法で得られたものがほとんどです。油脂吸着法はとても手間がかかるため、今ではあまり行われないのです。
超臨界流体抽出法
5つめの抽出法は1970年頃から登場した新しい抽出法で、超臨界流体抽出法といいます。二酸化炭素などの液化ガスを溶剤として用います。
二酸化炭素に熱と圧力をかけると気体と液体の中間の流体(超臨界状態)となります。この状態の二酸化炭素を植物を入れた抽出器に通過させると、流体が芳香植物に浸透し、香り成分を効率よく取り込めます。流体を取り出し、圧を元に戻すと香り成分だけが残る、という方法です。
超臨界流体抽出法のメリットデメリット
メリットは低温で処理するので植物そのものに近い香りが得られることです。デメリットは高価な装置が必要なため、精油の抽出法としてはまだ一般的ではないということです。
アロマ精油がどのように抽出されるのか、おわかりになりましたか?それぞれの抽出法で得られる精油の特徴を知ることでより安全に楽しくアロマテラピーを楽しめますね。
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