ディオリッシモDiorissimo　【可憐なスズランの香水】

 

ディオリッシモDiorissimoとの出会い

私がディオリッシモDiorissimoと出会ったのは今年大分の香りの博物館に行った時です。

沢山の香りに関わる展示があり、香水もたくさん香りを嗅ぐことが出来るのです。

 

その中の一つがディオリッシモDiorissimo。

 

私は合成香料が苦手だし、強すぎる香りも苦手なので

これまで香水ってちょっとハードルが高かったのです。

 

とはいえ、小さいころから母が持つ香水瓶や箱のデザインの美しさに興味がありました。

いつかこんな綺麗な香水を私も持つのかなあなんて思っていました。

ディオリッシモDiorissimoを嗅いだ時、私の中に風が吹いた。

 

青みのある爽やかで可憐な香り。。。

 

今まで香水に持っていた偏見が吹っ飛ぶ経験でしたよ！なんて素敵な香りなんでしょう。

 

それから博物館の方とお話したときにディオリッシモDiorissimoが話題になりました。

私が感動を伝えると、

「スズランは精油を取ることが出来ないので別の香りでスズランを表現したものなんですよ」

 

と教えてもらえました。

帰ってから早速オードトワレとパルファムを購入。ディオリッシモDiorissimoについて調べるうちにもっともっとこの香りが好きになったので調べたことをシェアしますね！

 

 

1956年初めてクリスチャンディオールが発売

ディオリッシモDiorissimoは、1956年初めてクリスチャンディオールが発売しました。フランスの天才調香師エドモン・ルドニツカが作り出したフローラル系の香水です。スズランは【幸福の花】としてデザイナー、クリスチャン・ディオール（Christian Dior, 1905年- 1957年）のお気に入りだったそうです。庭にスズランを植えたり、1954年春のコレクションのインスピレーションとしても役立ちました。そして香水ディオリッシモDiorissimoはクリスチャン・ディオールの遺作ともなった香りでもあります。亡くなった彼の亡骸はスズランの花で飾り付けされたそうです。（なんてロマンティック。。。）

 

天才調香師　エドモン・ルドニッカ

エドモン・ルドニッカは1926年　南フランスのグラースで香りの修行を始めます。そして瞬く間に才能を発揮し有名になっていったそうです。グラースは古くから香料の町として知られ、現在もなお香水産業が盛んな町です。そのグラースと隣接する村カブリに、エドモン・ルドニッカはアトリエと香料のための庭園を構えました。彼の香りにかける情熱は非常に熱く、香水を単なる製品としてではなく、人々を感動させ、力強い感情を呼び起こすことができる芸術である、と見ていました。

バラやジャスミンなどの花精油と異なり、スズランの香りは精油から作り出すことが出来ないそうです。実際の花からエッセンシャルオイルを得ることができないため、花の香りを香水で再現することはとても難しいことでした。

そこで彼はスズラン以外の香りでスズランを表現したのですが、

彼が表現しようとしたのはただ【スズラン】という花の香りだけにとどまらず、

スズランの咲く春という季節の香り、森の香り、下草の香りなどスズランという花からイメージされる風景そのものを表現しようとしたのです。

エドモン・ルドニツカは1955年からなんと1年かけてこのディオリッシモDiorissimoの調香に成功したそうです。

この話を知った時、なぜ私がこの香りにときめいたのかわかったような気がしたのです。

 

香りを嗅いだ時私のなかに流れ込んできたイメージ。あれは花の香りだけではなくエドモン・ルドニツカが表現しようとした森や季節や空気感だったのだと思うのです。

 

この経験はブレンドデザイナーとしての私にとって凄く大きなものとなりました。

 

私も景色や季節、気持ちなどなど立体的な香りがデザインできるようもっともっとがんばろーっ！！

という気持ちになりました！

余談ですがこの香りは、故イギリスのダイアナ妃がお気に入りだったと伝えられています。可憐な彼女のイメージにピッタリですよね。

 

 

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